玉ねぎを無駄なく使い切る!種類別保存法と皮まで活用する絶品レシピ
玉ねぎは日々の料理に欠かせない万能野菜です。甘みとコクを加え、炒め物、煮物、サラダなど幅広い料理で活躍します。しかし、一度に使い切れずに余ってしまったり、保存方法に迷ったりすることもあるかもしれません。
この度、旬野菜使い切りレシピ集では、玉ねぎを種類別に最適な方法で保存し、さらに皮まで無駄なく活用する具体的なレシピとヒントをご紹介いたします。玉ねぎの魅力を最大限に引き出し、日々の食卓を豊かにする一助となれば幸いです。
玉ねぎの種類と選び方、栄養価
玉ねぎには主に「貯蔵玉ねぎ」と「新玉ねぎ」の二つのタイプがあります。それぞれの特徴を理解し、適切な保存と活用に繋げましょう。
種類ごとの特徴
- 貯蔵玉ねぎ: 一般的に年間を通して流通している玉ねぎです。収穫後に乾燥させて保存性を高めており、皮がしっかりと乾燥して飴色をしています。辛味が強く、加熱すると甘みが増すのが特徴です。
- 新玉ねぎ: 春先から初夏にかけて出回る、貯蔵せずにすぐ出荷される玉ねぎです。水分が多く、皮が薄く白いのが特徴です。辛味が少なく、生食に適しており、柔らかい食感が楽しめます。
選び方のポイント
- 共通: 全体的にしっかりと固く、ずっしりと重みがあるものを選びましょう。傷やカビがないかを確認します。
- 貯蔵玉ねぎ: 皮がしっかりと乾燥しており、ツヤがあるものが良品です。芽が出ていないものを選びましょう。
- 新玉ねぎ: 傷が少なく、みずみずしさを感じられるものを選びます。
玉ねぎの栄養価
玉ねぎには、血行促進効果が期待される硫化アリルや、抗酸化作用のあるポリフェノールの一種ケルセチンが豊富に含まれています。特にケルセチンは皮の部分に多く含まれることが知られています。これらの成分は健康維持に役立つと考えられています。
玉ねぎの基本的な保存方法
玉ねぎの種類や使用目的に応じて、最適な保存方法を選びましょう。
1. 常温保存(貯蔵玉ねぎ向け)
- メリット: 玉ねぎの特性を活かし、長期保存に適しています。
- 方法: 風通しの良い日陰で、ネットやカゴに入れて保存します。湿気がこもらないように注意し、直射日光が当たる場所は避けてください。
- 保存期間の目安: 約1〜2ヶ月。
- 注意点: 新玉ねぎは水分が多いため常温保存には不向きです。芽が出たり、柔らかくなったりした場合は早めに使い切りましょう。
2. 冷蔵保存(新玉ねぎ、カットしたもの向け)
- メリット: 新玉ねぎの鮮度を保ちたい場合や、カットした玉ねぎの保存に適しています。
- 方法:
- 新玉ねぎ: 新聞紙やキッチンペーパーで包み、ポリ袋に入れて野菜室で保存します。
- カットした玉ねぎ: 切り口をラップでしっかりと覆い、密閉容器に入れるか、ジッパー付き保存袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存します。
- 保存期間の目安: 新玉ねぎは1週間程度、カットした玉ねぎは3〜4日程度。
- 注意点: カットした玉ねぎは風味が落ちやすいため、早めに使い切ることが推奨されます。
3. 冷凍保存(全ての玉ねぎ、長期保存・時短向け)
- メリット: 調理時間を短縮でき、長期保存が可能です。加熱調理に使う場合、冷凍することで細胞が壊れ、味が染み込みやすくなります。
- 方法:
- 皮を剥き、用途に応じて薄切り、みじん切り、くし切りなどにカットします。
- 余分な水分をキッチンペーパーで軽く拭き取ります。
- 平らなトレイに重ならないように並べ、一度冷凍庫でバラバラになるまで凍らせます(この一手間で使う際に便利です)。
- 完全に凍ったら、ジッパー付き保存袋に移し替えて空気を抜き、冷凍保存します。
- 保存期間の目安: 約1ヶ月。
- 注意点: 解凍せずに凍ったまま加熱調理に使用するのがおすすめです。生食には向きません。
玉ねぎを無駄なく使い切る!絶品アレンジレシピ
ここでは、玉ねぎをまるごと、そして皮まで活用するレシピをご紹介します。
レシピ1:新玉ねぎの丸ごと煮込み
柔らかく甘い新玉ねぎの魅力を存分に味わえる一品です。
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材料(2人分)
- 新玉ねぎ: 2個
- ベーコン: 50g(短冊切り)
- 水: 200ml
- コンソメ(顆粒): 小さじ2
- 塩: 少々
- こしょう: 少々
- パセリ(みじん切り): お好みで
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作り方
- 新玉ねぎは皮を剥き、根元を少し切り落とします。上部に十文字に浅く切り込みを入れます。
- 鍋に新玉ねぎ、ベーコン、水、コンソメを入れて火にかけます。
- 沸騰したら蓋をして、玉ねぎが柔らかくなるまで弱火で15〜20分煮込みます。
- 玉ねぎが柔らかくなったら、塩、こしょうで味を調えます。
- 器に盛り付け、お好みでパセリを散らして完成です。
- 調理のポイント: 煮込みすぎると形が崩れてしまうため、玉ねぎが柔らかくなったら火を止めましょう。切り込みを入れることで、火の通りを均一にし、味が染み込みやすくなります。
- アレンジヒント: 仕上げに粉チーズをかけたり、鶏肉やきのこを加えて具沢山にしたりするのもおすすめです。
レシピ2:玉ねぎと鶏肉の甘辛炒め
貯蔵玉ねぎの甘みを引き出した、ご飯が進むメインおかずです。冷凍玉ねぎも活用できます。
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材料(2人分)
- 鶏もも肉: 200g(一口大に切る)
- 玉ねぎ: 1個(薄切り)
- サラダ油: 大さじ1
- A 醤油: 大さじ2
- A みりん: 大さじ2
- A 砂糖: 大さじ1
- A 酒: 大さじ1
- ごま: お好みで
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作り方
- フライパンにサラダ油を熱し、鶏もも肉を皮目から焼きます。焼き色がついたら裏返し、火が通るまで焼きます。
- 鶏肉をフライパンの端に寄せ、空いたスペースに玉ねぎを加えて炒めます。玉ねぎがしんなりするまで炒めましょう。
- Aの調味料を全て加えて全体をよく絡めながら炒めます。汁気が少なくなるまで煮詰めます。
- 器に盛り付け、お好みでごまを散らして完成です。
- 調理のポイント: 玉ねぎは焦げ付きやすいので、火加減に注意しながらじっくりと炒め、甘みを引き出すのがポイントです。冷凍玉ねぎを使用する場合は、凍ったままフライパンに入れ、水分を飛ばしながら炒めましょう。
- アレンジヒント: 豚肉や牛肉でも美味しく作れます。七味唐辛子を加えてピリ辛にしたり、仕上げに大葉を散らして風味を加えたりするのも良いでしょう。
レシピ3:玉ねぎの皮活用スープ
捨ててしまいがちな玉ねぎの皮には、ケルセチンをはじめとする栄養が豊富に含まれています。エコで体にも優しいスープです。
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材料
- 玉ねぎの皮: 2個分程度
- 水: 500ml
- コンソメ(顆粒): 小さじ1
- 塩: 少々
- こしょう: 少々
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作り方
- 玉ねぎの皮を洗い、鍋に入れます。水とコンソメを加え、火にかけます。
- 沸騰したら弱火にし、蓋をして15〜20分煮込みます。
- ザルで皮を濾し、澄んだスープだけを取り出します。
- 塩、こしょうで味を調えて完成です。
- 調理のポイント: 玉ねぎの皮はしっかりと洗うことで、土などの不純物を取り除けます。煮込むことで皮の栄養と旨味がスープに溶け出します。
- アレンジヒント: 濾したスープは、カレーやシチュー、ポトフなどの煮込み料理のベースとしても活用できます。野菜くず(キャベツの芯、にんじんのヘタなど)も一緒に煮込むことで、さらに栄養と旨味がアップします。
さらに使い切るためのヒント
- 使い残しの玉ねぎ: カットした玉ねぎが少量余ってしまった場合は、水を入れた密閉容器に浸して冷蔵庫で保存すると、数日間は鮮度を保てます。ただし、毎日水を交換することが重要です。
- 芽が出てしまった玉ねぎ: 芽が出ていても食べられますが、芽の部分に栄養が集中して本体がしなびてしまうため、早めに使い切りましょう。芽は取り除いて使用してください。
- 皮の保存: 玉ねぎの皮は乾燥させて保存することも可能です。清潔な場所で広げて乾燥させるか、電子レンジで軽く加熱して水分を飛ばすと、保存しやすくなります。乾燥させた皮は、前述のスープの材料として活用できます。
まとめ
玉ねぎはその種類や用途に応じて様々な保存方法があり、まるごと、そして皮まで活用することで、食品ロスを減らしながら日々の食卓を豊かにすることができます。
新玉ねぎの瑞々しさを楽しむ生食から、貯蔵玉ねぎの深い甘みを引き出す煮込み料理、そして栄養豊富な皮を活用したスープまで、玉ねぎの持つ可能性は無限大です。ご紹介した保存方法とレシピを参考に、ぜひ玉ねぎを最後まで美味しく使い切ってください。日々の献立に玉ねぎの多様な魅力を取り入れ、健康的で豊かな食生活を送るための一助となれば幸いです。